2014年11月10日月曜日

『売れるストーリー&キャラクターの作り方』沼田やすひろ ★★★★★

おんもしろい。
かるい題名ですが、内容はぎっしりです。
例も多くて、納得のいく説明をしてくれる.

 


1)本質と表現


キャラクターとはなんぞや。
おもしろいとはなんぞや。
ってところから本は始まる。


キャラクターの語源は”文字”。
いったんそこから考えてみよう。


最初に前提条件から考える本は、個人的に信用できる。


たしかに「さっさとハナシはじめろよ」と思う。
たしかにハナシが抽象的でわかりにくい。


けどやっぱ前提の確認は大事。
そこを丁寧にやれば、後の説得力も増すし、話も掘り下げられる。
かっこ良く言えば、それが哲学的姿勢の一歩目なのかもしれない。


そこはきっと「習うより慣れろ」で、数をこなすことが大切なんだろうな。





この本のキモは前半に詰まってると思う。




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文字(character)には、書体と機能
つまり
「表現」と「本質」の2つの性質がある。
書体、表現 →好き嫌いあり、商品性あり ex,書道、フォント
機能、本質 →好き嫌いない、商品性なし ex, アルファベット

そして表現と本質の関係は、

①表現は一見して本質がわかる。 
②本質は必要不可欠。
③商品性を考えると、表現も必要。


ここらへんはムズい。
もう数をこなして皮膚感覚で意味を掴むしかない。




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ストーリーとはなんぞや。

ずばり、プロットとテリングの2つにわけられる。
・本質→プロット
・表現→テリング



テリングは好き嫌いがある。表現だからね。



一方、プロットは変化過程結果を表したもの。

「本物の変化だ」と誰もが納得することができる展開がいいプロット。

文字だから誰でも理解できるものでないとダメ。
汚い字で読めなかったら、本来の役目を果たせてないもんね。







<本質><表現>2つの軸を使ったマトリクスでの分析おもしろい!
このマトリクスの理解がこの本のミソでありキモ。




2)おもしろいとは?

→感情と納得の2つ。
言い切るんか!すげぇ。
そして、

感情→テリング  
納得→プロット

読み手の感情は表現でコントロール。
読み手の納得はプロットの整合性でコントロール。





3)誰を楽しませるのか?

ちゃんとターゲットを考えるべき。意識するべき。

テーマの決め方
→日常よく自分が考える事、あなたがターゲットに伝えたいこと。


あなたのニーズじゃないよ、相手のニーズを満たす。ターゲットを喜ばせた後にだけ、あなたのニーズは語っていい。熟練のクリエイターは相手と自分のニーズを同一にする。

ここでいうニーズというのはなにを伝えたいか、的なこと。




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あと面白いのは、ストーリーの作り方。


10)本能的なおもしろさ「13フェイズ構造」


第一幕 対立
 0背景 
 1日常 
 2事件 
 3決意

第二幕 葛藤 
 4苦境 
 5助け 
 6成長・工夫 
 7天気 
 8試練 
 9破滅 
 10契機

第三幕 変化 
 11対決 
 12排除 
 13満足


起承転結とか序破急とか四部構成とか三部構成とかハリウッド脚本術、
とかあるけど、これ使えば全部網羅してるからー、
とのこと。


また以下のものも、プロットをおもしろくするためには入れるべき。

ファースト10
2ベクトル
3ポイント
4C   

僕自身まだ理解してないので詳細は述べられせん。




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もうひとつおもしろい、というか便利そうなの。

キャラクターの8分類。

主人公
狂言回し
協力者
敵対者
犠牲者
依頼者
援助者
対抗者

すべての登場人物はこれでカテゴライズできるよん、ということです。




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話は変わります。

ぼくも何か創りたい。



ちきりんが「創造主の喜び」と言うものについて語ってました。
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20141005
このエントリはおすすめ。おもしろい。

そして最近見つけたブログの中の人・しっきーも「ゲームを作りたい」
ということを言ってた。
http://skky17.hatenablog.com/entry/2014/06/29/223537







シュムペーターという人は

もうねー、恐慌とかなかなか避けられへんよ。
恐慌を前提とした循環のなかで、できるだけ大きい進歩を目指そうよ。
イノベーションをいっぱい起こすことが大事よーんんんんんん。

っていう古典経済学者です。




そしてシュムペーターがおもしろいのは、
イノベーションというものをもっと突き詰めて考えているところです。

曰く、イノベーションを起こす人の動機は、
①私的帝国への憧れ
②勝利欲
③創造する喜び
の3つらしいです。




おもしろいですよね。
たとえばジョブスとか、うん、確かにこの3つともある人ですよね、きっと。



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ちきりんもしっきーも、創造する喜びは話してくれるけど、
勝利欲とか、私的帝国への憧れとかそこら辺はどう考えてるんでしょう。

もうちょっと、なんというか、人間臭いところもないものでしょうか。

性悪説に立った自己分析とか欲望とかを語ってくれないものかしら。