佐藤優が『人に強くなる技術』でオススメしてた。
おもしろい。
理不尽な怒りへの対処法暗中模索記、といったところでしょうか。
「謝るときは具体的に」
「感謝と謝罪は1:2で」
「猛烈な激怒は吐き出させてあげる」等々、役に立つノウハウがありました。
あとこの人の仕事に対する姿勢がいいなーーー
理不尽なキレ方されても真摯な態度をとれる筆者を尊敬。
その態度は『夜と霧』のフランクルに通じるものがあると思うんですけど、一体その正体はなんなんでしょう。
以前、糸井重里が
たとえば、誰かに軽口でからかわれても とてもいやな感じがする場合と、笑ってしまう場合がありますよね。どこがちがうんだろう?と言っていました。
そして、糸井さん的に、その答えは「敬意」だったそうです。
「上にみる」とういうようなものじゃなくて、ほかの人に「おなじ」「フラットに」という意識をもっているか否か、という意味です。
なるほどたしかに。
この本の作者の榎本さんも、理不尽な顧客に対して「敬意」を持ってるんですね。
フランクルも、理不尽な状況を創りだした人間にさえ「敬意」を払うんです。
『夜と霧』のフランクルの素敵さの秘密はもしかしたらここらへんにあるのかもしれないな。
嫌いな人間にも敬意を持つって、すごいなー。
おもしろいし、説得力がありました。
再読したいです。
良書。
『哲学思考トレーニング』伊勢田哲治 ★★★★☆
おもしろい。
テーマ「哲学」のなかでも特におもしろいほうです。
哲学なんか役に立つん?という疑問を解消するのに役立つ一冊。
「スゴ本」のDainさんが論理学のことを、「すべての学問のOS」って言ってた。
これは論理学のことをよく表したいい言葉ですね。
この本で扱われているのはクリティカル・シンキングのお話。
そしてデカルトの方法的懐疑のかしこい使いかたを教えてくれた。
ぼくは林修がデカルトの『方法序説』をめちゃくちゃすすめていたので、手にとってみたのですがあまりピントきませんでした。
その原因はたぶん『方法序説』をどう生活のなかで活かしたらいいのかがわからなかったからだと思うんです。
そのモヤモヤがこの本で解消された。
曰く、デカルトは極端すぎたらしい。
疑がわしいものにも「疑わしい度」の違いはさまざま。
なので、とりあえず今この「疑わしいもの」はとりあえずOKっていう前提にしたら、これこれこーいうことは「確実」っていえるやん?
という議論自体はムダじゃないよねー
疑う技術が「方法的懐疑」ならば疑わない技術が「文脈主義」。
このどちらもバランスよく使うこと大事よん。
ということを言っていました。
なーるほど。おもしろい。
哲学がなんで大事かを言える大人になりたいものです。