2014年10月20日月曜日

『国富論 Ⅰ』アダム・スミス 大河内一男=訳 ★★★☆☆ 

全四巻のうちの一巻を読んだだけです…。


前半おもしろく読めた。
後半は知識不足でむずかしい。



前、ライフネット生命の出口治明さんの『本の使い方』を読んだ。
あの人の読書の量と質に圧倒されました。
ぼくも古典を読もー、と思い最初に手にとった一冊。




前半おもしろく読めたのは、佐藤優がなんども古典経済について話をするから、耐性ができてたのかな。
後半は地代に関することで、予備知識が不足で分からない。
でも、スミスの地主に対する思いは興味深いところなので、是非読めるようになりたい。


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スミスの金持ちと貧乏人に対する目線ってすごいバランスが良くて好感がもてる。

ごうつくばりな商人に怒ってる。
けど、努力に見合わない報酬しか受けてない法律家とか、薬剤師とかに同情もする。
若い職人や農民に対するまなざしにも優しさがあるような気がする。

このバランス感覚って、素敵。



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スミスは例を多用し、何度も噛み砕いてくれるので、
すっと理解できるおもしろい話がいくつかあった。


「労働が価値を生む」という発想が、マルクスを含む古典派経済学のなかにある。
その意味がぼくは今まで理解できなかったけど、これも今回読んでるうちに理解できたもののひとつ。



竹中平蔵も、価値は労働の中から生み出されるって考えてる。
みんなさ、
そんな金融で一発狙わんと
ちゃんと働こ?
的なことが竹中さんの論旨です、よね?

佐藤優もおなじく価値は労働から、って考えてる。だから
不労所得とかまじ嫌い。
アカンやろ、あれ。
みたいなことを言ってた。


この、すげぇ2人がそういう考えだから、ぼくも「労働価値説」の古典経済を勉強しようと思いました。



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古典派は「価値」を「使用価値」と「交換価値」にわけて、
「交換価値」の中にこそ真の価値があり、経済学を統一するような核がある!と考えたらしー。

ちなみに、「新古典派」というのは、逆に「使用価値」の中に経済学の核を見出そうとした人たちのことを言うねんて。



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近代経済学と古典経済学のちがいについて、佐藤は
お金、貨幣を絶対的な前提として考えてるのが近代経済学。
そのお金っていうものも分析、疑っているのが古典経済。
 って言ってた。
おもしろいよね。



古典派経済学、新古典経済学、近代経済学
っていうカテゴライズが正しいのかはわからないけど、その3つの違いが分かったのがおもしろかった。


googleの元日本支社長が、本を一冊すすめるなら『マンキュー経済学』って言ってた。
これは近代経済学ですよね。
是非読んでみよう。

古典派は、ケインズとマルクスをちょっとかじってみよー。
新古典派って、だれを読むべきなんですかね?
そもそも読んでおもしろいのかな。


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中高クラシックスは、最初に編集者、訳者のまえがきがあって、これはいいと思う。
編者、訳者の解説があってはじめて分かることがあるから。