最強のふたりという感じです。
佐藤曰く
池上さんは労農派的だと書かせていただきました。それはね、匂いがあるんです。話をしているとすぐにわかる。
というのは、日本でマルクスのインパクトを受けている人の9割5分までが講座派的だからです。たとえば人類学者の中沢新一さんや哲学者の内田樹さん。講座派的ではない方では、池上さんと、あと哲学者の柄谷行人さんですね。
少し話をしたり、本を読んだりすると、思考の鋳型がわかるんですよ。池上さんの書いているものを読んで、ストンと腹に落ちるのは、「日本特殊論」に立たないからなんです。
おもしろい話です。
講座派は
「日本は天皇おる。だから日本の資本主義は他の国のそれとはちょっとちゃうんや!」で、
労農派は
「天皇制なんか資本主義に組み込まれとるわ。マルクスの教えは普遍や!」
という感じでしょうか。
さらに佐藤は続けます。
だから日本型経営論とか、トヨタ式経営論、あるいはジャパン・アズ・ナンバーワンといったものは、基本的に講座派の鋳型なんです。網野善彦さんの網野史学や、丸山眞男も大塚久雄も、基本のフレームは講座派です。
20世紀前半に世界と日本に吹き荒れたマルクス旋風の概要は
池上彰の『そうだったのか!日本近現代史』が入門でわかりやすかったです。