2014年8月21日木曜日

『経済古典は役に立つ』竹中平蔵 ★★★★★

おもしろい。
これはテーマは「就活」ですね。
はたらくってどういう意味か考えるのに社会科学の知識は役に立つはず。



アダム・スミス、ケインズ、マルサス、リカード、マルクス、シュムペーターという人物がどういう時代に生き、どういうバックグラウンでそれぞれの思想を創りだしたか。
その思想を今の時代にどう応用するのかを竹中平蔵が語る。

という感じです。




おもしろかったのはシュムペーター。
ドラッガーの基本的な考えはシュムペーターの思想から生まれてるんですねー。

キーワードはイノベーション。

曰く、イノベーションを起こそうという人の動機は3つ。
・私的帝国への意欲
・勝利者意識
・創造する喜び

そしてそういう人に求められるのは
・洞察力
・精神的な自由
・抵抗に打ち勝つ強い意志

らしーです。

ほえーー、おもろい。
ビル・ゲイツやジョブス、セルゲイ・ブリン、徳重徹、etc.etc...
をこれで分析したらおもしろそうだなーーー。



シュムペーターはそれ以外にも、
「不況や恐慌なんて、そんなんどうしてもあるよ。しゃーない」
っていう前提がぼくはすごい共感を持てました。
そーですよね、人間もダメな時があるからいい時もあるんですよ。ふふは。

不況や恐慌を怖がりすぎて戦争しちゃうほうが絶対、悲しい。


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あと、アダム・スミスもリカードもマルクスも価値を生むのは労働だと考えたんですね。

これは佐藤優も竹中平蔵も賛成のようです。

『資本論』の最初に出てくる「価値」という言葉をどーいう意味で読むかによって、読み方が全然変わってくる、って佐藤が言ってた。

広義で、「人生の価値」的に受け取るといわゆる「アカ」の経典のようになる。
狭義で「ものの値段」的にとると優れた資本主義分析の本になる。

たしかそんなことを「はじめてのマルクス」で言ってたかな。


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『国富論』              全4巻
『雇用・利子および貨幣の一般理論』  上下巻
『資本論』              全9巻
『経済発展の理論』          上下巻


えぇ…。
ハードル高すぎやろ…。
どっから手つけよ…。



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あと「就活」というくくりで、「会社」を考えてみたいです。

会社の起源は?
小さな国家よりも予算をもった組織=会社はこれからどうなっていく?
これからの社会でどういう役目を演じるのか

考えたいですな。