2014年8月8日金曜日

『赤目四十八瀧心中未遂』車谷長吉 ★★★★☆


昭和の、アジアの、大阪の、混沌の、ホルモンと汗と精液のニオイ



がしてくるような開高の『三文オペラ』がぼくは好きなんですが
この小説は、いい。




ちきりんは大阪のことをアジアの臭がする街って言ってましたネ。
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20100307
言ってる意味はすごーいわかる。
でも「アジア的」ってなんでしょうね。猥雑さ?
ここは生涯かけて掘り下げたいところですね、「アジアと大阪」。



この本はR18の『三丁目の夕日』の「大阪版」を読んでるよう。大好物です。
大人のフリできるみたいでいいですよね。

「生島はん、あんた我が身では、そななわが身のことを突っ転ばしや腑抜けや言いはるけどそななことはインテリのたわけ言やで。ちゃんと言葉になっとうが。あの女の念佛は言葉になっとうへんがな。おつたいがなァ、やがな。あれ口から血ィ吐く思いであない言いよんやで。」

いい言葉です。
もうひとつ。

「やれ、マルクスはんがどう言うたの、福沢諭吉がどうの、人の言うことは何でもよう知っとうけど。うちィ来てそなな議論ばっかししとう人がおるが。あななもんインテリの猥談や。」 

反省反省。