2014年6月10日火曜日

『明暗』夏目漱石 ★★☆☆☆

さて、『明暗』。
漱石の最後、未完の作品。

筒井康隆が
『明暗』の会話は読みにくいかもやけど、後ろにあるバトルがすごいんよ。
的なことを言っていたんで手に取りました。

にも関わらず、えぇ、そんなにおもしろくない。





なんで漱石がこんなに評価されてるんだ?
っていうのはずっと思っています。

それにヒントを与えてくれたのは司馬遼太郎の『坂の上の雲』のなかにあるウンチクでした。
「明治維新でひっくり返って、てんやわんやになった日本語に一つの形を与えたのが漱石」
小説のおもしろさに漱石の凄さがあるんじゃなくて、漱石の仕事そのものに意味がある、ということなんですかね。

でもなんかそれって他の小説家に対してフェアじゃないよなー、
司馬さん、小説としての漱石の作品はどーなの?
それともボクが漱石の良さを理解できていないだけなのかしらん

と思っていたところに、渡部昇一が
「漱石はむずいよ、ボクも東京に住んだ大学生のころにやっと良さ理解できた」
という旨のことを言っていました。

ボクは大学生だけれどまだあまり理解できない。
・ぼくの鑑賞眼が稚拙なのか
・それともボクが東京に住んだことがないのが原因なのか。

後者であればな…!
そして司馬遼太郎も漱石をあまり評価しない人ならばな

とボクは願っているのですが。


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と思っていたのですが、今ちょっと調べたところでは司馬遼太郎は漱石を評価も評価、大評価しているみたいです。
漱石を「好き」じゃなくて「恋」してるらしい。 笑


ぼかぁ、まだまだです。
漱石のおもしろさがわかるようになりたい。

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漱石の作品の主人公ってみんな似てます。

勉強できる。
お金に苦労。
そして恋愛偏差値高め。

こんなところでしょうか。



ロバート・キヨサキ曰く、勉強には3つあるらしい
①アカデミックな勉強
②仕事の勉強
③お金の勉強
この3つが揃ってはじめて幸せなれんちゃう?とのことです。



漱石の小説は、①ができて③ができない人の悲劇です。

アカデミックな勉強はめっちゃできる。
洋書読んだり、教養を持ってる自分を誇ってる。
勉強できる自分にお金が回ってこない世間が間違ってると思ってる。
でもお金が必要、マジで。

そんな自家撞着に苦しんでいるときに恋愛の一悶着、ってのが多いパターンですよね。