『自選 谷川俊太郎詩集』 谷川俊太郎 ★★★☆☆
詩集を通読したのは初めてかもしれない。
おもしろかった。
存命している現代詩人が岩波文庫で自選詩集を出版するなんて、スゴイ。
それだけでも読む価値はある、のかも。
気に入ったものを紹介しよう。
自己紹介
私は背の低い禿頭の老人です
もう半世紀以上の間
名詞や動詞や助詞や形容詞や疑問符など
言葉どもに揉まれながら暮らしてきましたから
どちらかと言うと無言を好みます
わたしは工具類が嫌いではありません
また樹木が灌木も含めて大好きですが
これらの名称を覚えるのは苦手です
私は過去の日付にあまり関心がなく
権威というものに反感をもっています
斜視で乱視で老眼です
家には仏壇も神棚もありませんが
室内には直結の巨大な郵便受けがあります
私にとって睡眠は快楽の一種です
夢は見ても目覚めたときには忘れています
ここに述べていることは事実ですが
こうして言葉にしてしまうとどこか嘘くさい
別居の子ども二人孫四人犬猫はかっていません
夏はほとんどTシャツで過ごします
私の書く言葉には値段がつくことがあります
この詩が本の中盤にポンと出てきた。
でもあんまり、詩集というのは触手がうごきませんねぇ。
(本の奥付。この本は留学合格通知が届いた日に買った。)