2014年6月8日日曜日

『創作の極意と掟』筒井康隆 ★★★☆☆

冨樫義博のマンガには筒井康隆の作品をモチーフにしているものがたくさんあります。
この本読んでわかったけど、『幽☆遊☆白書』の「禁句(タブー)」も筒井康隆の短編の設定パクってるのねん。



序盤のアドバイスは抽象的で、モノづくり、というか人生全般に応用できそうな金言が詰まっていました。

「凄味」「色気」といったものが作者に備わっていると、文章に自ずと出てきます。
というのはなんだか説得力があります。

しかし後半は具体的な小説技法という感じで、前半ほど目を引きませんでした。
筒井康隆の小説論に絡めたエッセイ、という印象。

いかんせん筒井康隆の本は一冊目。
まだ印象しか語れません。







『家族八景』筒井康隆 ★★★★☆

またしても筒井康隆。

この本はちきりんの「人生の書」らしーです。
ちなみに、ちきりんの「人生の書」リストには開高健の『夏の闇』が入っています。
『輝ける闇』じゃないところが、これまた。。。



筒井康隆の小説をはじめて読みました。
おもしろい。


トルストイの『アンナ・カレーニナ』の序文は
「幸福な家庭ははどれも似ているが、不幸な家族は様々だ」
で始まります。

この本で描かれるのは不幸な家庭8つ。
それを主人公は「女中」という目線で、当事者たちから一歩はなれて眺めています。

「他人の不幸は蜜の味」だからこの本がおもしろいのか、
不幸な家庭からなにか学べるものがあるから、この本はおもしろいのか。

失敗や不幸に法則があるのだとしたら、そういうものを疑似体験できるのが小説を読む意味だったりするのかしら。





『七瀬ふたたび』筒井康隆 ★★☆☆☆

『家族八景』の続き。
一作目とまったくちがう世界観になんかボー然。
期待と全然違った。
おもしろくない。
でも冨樫義博はこれからだいぶ構想得てます、ような気がする。



筒井康隆ってこんなことを小説でする作家なのねーーー。