2014年6月12日木曜日

『桜の森の満開の下』坂口安吾 ★★★★★

坂口安吾の短編。
おもしろい。



分かりやすくて読みやすい。
桜とグロテスクなものって似合うよね、っていうハナシ。




『カラマーゾフの兄弟5 エピローグ別巻』ドストエフスキー 亀山郁夫=訳 ★★★☆☆

エピローグ自体はこの本の17%ぐらいです。
あとはドストエフスキーの生涯、年譜、解題、読書ガイド、訳者あとがきです。
おもしろい。



この5巻を読んで、またカラマーゾフを再読したいと思いました。
訳者の手ほどきがあってはじめて「なるほど!」という発見が多々。


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キリスト教信者の佐藤優が「ドストエフスキーはキリストを信じてない」旨のことを言っていた。
たしかにそーいう読み方はできます。

佐藤優が「神は存在しますか?」と問われたら「回答しません」と答えるらしい。
神の存在について議論はしません、という立場です。
それを聞いた時、「ああ、これが信じるということなんだなー」と納得しました。

その基準でいくと、ドストエフスキーは確かに信じてない。

逆に、そういう意味でボクたち日本人は根っからの仏教徒なんですかね。
自分が仏教徒っていう意識がないくらいですもんね。


自分がどういう人間で、
どういう世界の、
どういう位置にいるのか。

を知るには、そういうこともちゃんと意識しないとですよね。
それを可能にするのが「教養」ということですかーーー


宗教のハナシはなかなか筆がすすみません。
でもせっかく『カラマーゾフ』読んだんやし、ね。
再読した時のためにも書いておこう。



長老の告白の場面で、長老が死んだ兄貴のことを話す場面がありました。
賢くて、敏感で、繊細でやさしかった、といえばあまりにも美化しすぎですね。