開高健、「闇」三部作の二作目。再読。
ちきりんのおすすめでもあります。
ぼくは一作目の「輝ける闇」のほーが好きかもしれない。
この二作目は「眠り」の文学であります。
「小説家は食べ物と女を描けたら一人前」という言葉がありますが、この作品はそれに加えて「眠り」の描写がたくさんあります。
開高健にとっても実験的な作品なんでしょうか。
一作目では、
「読者は難解なことが書いてある小説をありがたがる」
ということを主人公に言わせ、そのあと主人公がベトナムのお坊さんと実在論のお話をぶつ、ということを開高はしていました。
『夏の闇』に難解なものはなかったかなー。
でも難解なものをありがたがる、という性癖はなんだかダメなような気がする。
反省しよう。
開高の小説は引用がうまいのが特徴ですね。
開高自身が引用の達人なんでしょうね。
ゲーテの
なべてのいただきに
憩いあり
べつのところでは、インドネシアかスコットランドかどこかの漁師の歌で
男は
働かにゃならぬ
女は
泣かにゃならぬ
ふふふ、すばらしいアフォリズム。
マンガ『死に至る病』キェルケゴール ★★★☆☆
「闇」三部作といい
『死に至る病』といい、すごい中2病全開の題名です。
それがまたいいんですよ…フフ
佐藤優はマルクスとキェルケゴールを対比してたな。
プロテスタント神学生はキェルケゴールを好むけど、佐藤はマルクスの方が好みらしい。
マルクスとキェルケゴールって全然畑違いの人に思えるけど。
おもしろい、そんな対比が可能なんですね。